俺だけレベルアップな件第35話~45話

転職編

第35話

観月がハンターとしてやっていく自信がなくなってとのことで実家に帰ることを水篠に伝える。
諸菱が集めたハンターたちは資格があるだけで人に言えなそうな過去を持つものから高校生まで一癖ありそうな連中ばかりだった。諸菱は集めたハンターたちにダンジョンの外で待つよう指示する。レイド1回で30万という破格のバイト代で雇っているので口外禁止と念を押す。今日中に合計3か所の攻略を済ませる水篠であった。
白虎ギルドのC級ゲートを高値で買いたたかれている困惑していた。諸菱の落札価格では赤字にしかならないことと、水篠攻撃隊に参加していることから、何かを感じる管理課課長の宍戸。部下たちに2人のことを調べるよう指示を出す。

第36話

水篠が二重ダンジョン・右京攻撃隊全滅事件・監視課ハンターによる暗殺事件で生き残ったこと、諸菱が遊びでダンジョン攻略をしているわけではないことなどから水篠が再覚醒者だと確信する。
水篠は着々とレベルを上げていく。いくつかのスキルも習得している。要求レベルに到達し、システムから新たに転職クエストの案内が届く。
宍戸が部下を連れて、水篠たちのところをたずねると、ゲートの前でたむろしているハンターたちをみつける。状況を把握できない。水篠と諸菱が明日の予定の確認をしている。ダンジョンは予約した日から2日過ぎると自動的にキャンセルされる。それにも費用が掛かるようだ。宍戸が現れ、水篠に自己紹介する。
別の場所で白虎ギルドに水篠をスカウトする。提示金額は諸菱の2倍。水篠は冷静に白虎ギルドのビルの価格をたずねる。話の意図が分からないが、50億ほどだと答える。水篠がそのビルが報酬かとさらにたずねる。

第37話

周りの人が振り返るくらいの大きな声で宍戸がたずね返す。諸菱が提示した額を把握していなかったため驚くが、値段を吊り上げるための嘘ではと考える。水篠は証拠があるから見せようかと言うが、金額が想像以上のため上と相談させてほしいと返事をする。水篠はその場を後にしようとするが、自分のことを隠れて調べた宍戸の後ろにスキル:隠密を使用し、短剣を頬にあてる。宍戸は白虎ギルドの区域内でC級ダンジョンの買い占めがあったため調べはじめたこと、その攻撃隊の中に水篠がいて、3つの事件より再覚醒者推測していることなどを説明する。他言しないよう念押しした水篠は、再度姿を現し、C級独占の件についてしばらくは続くと伝えるが、白虎ギルドの新人訓練などの事情を知り、予約しているゲートをゆずると話す。宍戸は他の大型ギルドとの摩擦を考慮し、その条件をのむことにした。翌日、C級ゲートの入札に諸菱が加わっていないことを知る。C級ゲートを通常の数十倍で買わされ大損をするが、水篠からSMSが入る。隠れて調査したことを今回の件で水に流すとのことだった。今回は水篠の連絡先を手に入れられたからととても前向きな宍戸であった。
そのころ水篠は、転職クエストに潜入するところであった。

第38話

転職クエストに潜入している水篠は、モンスターに苦戦している。防御力の高い「ナイト」はカサカのように武器での攻撃が効きにくいので、素手で倒すため、戦闘が長引いている。ここでは、回復アイテム、ストア、レベルアップ時の状態回復などが使用できないため、ダメージが蓄積してしまう。
難易度不明、回復不可、途中退場なしのため、かなりのリスクがある。今日はデイリークエストを達成していないため、時間のことも心配している。
倒したモンスターが落としたアイテムを装備することができる上、見た目は変わらないため、防御力などが上がるだけととても便利な機能。
ダンジョン内の「ナイト」「刺客」「魔法使い」はこれまでの戦いを振り返るような能力をそれぞれが持っている。回復ができないうえ、個々のモンスターに合わせた戦い方を余儀なくされ、疲労が蓄積していく。何とかボスの間までたどり着く。ボスの間は王の謁見室のような作りになっている。
ボスの間で二重ダンジョンで感じたようなただならぬ気配を感じる水篠であった。

第39話

気配の正体は「騎士団長 紅血のイグリット」であった。名前が赤黒いため、相当強いことが予想される。固い鎧に守られているため、攻撃が効かない。その上、身の丈ほどもある大剣を棒きれのように振り回すため、なかなか攻め込めないでいる。短剣ではダメージを与えられないため、武器をしまって拳での戦闘に切り替える水篠。イグリットも持っている武器を置いて素手で戦う。スキル:疾走を使ってもその速度と攻撃力に歯が立たない水篠。弾き飛ばされ玉座に横たわるのであった。

第40話

玉座に横たわる水篠に近づくイグリット。右手を上げると大剣が飛んでくる。最後の一撃を加えようとするが、水篠が両手で防ぐ。そして持っている短剣をイグリットの目に突き刺す。何度も何度も兜の隙間に突き刺す水篠。なんとかイグリットを倒すことができた。
イグリットは様々なレアアイテムを持っていた。その中に「即時帰還石」があった。まだクエストは終わっていなかったのであった。

第41話

システムが転職クエストの開始を告げる。交戦時間の長さに合わせて上位クラスへの転職に必要なポイントが付与されるらしい。現れた3つのゲートから数十体のナイトが現れる。残り少ないマナを使用しスキル:隠密を発動するが、魔法使いのスキル:探知の視線により隠密が見破られる。水篠は、次にスキル:殺気を使い、能力値を半減させる。しかし、倒す量よりゲートから増えてくる量の方が多くて苦戦する。マナも尽きているうえ、ダメージも蓄積されている。
せっかくの転職クエストだが帰還石を使用することにした水篠だが、ナイトの攻撃で帰還石を落としてしまう。気力を振り絞って応戦するが、焼け石に水状態。これまで最弱兵器と嘲笑われてきた自分を思い出す。E級だった自分がここまで成長できたんだから十分だろう?と過去の自分が語りかて来た。

第42話

外見が変わっただけで、中身は過去の自分と同じだと語りかけてくる過去の水篠。
ナイトに囲まれ瀕死状態まで追い込まれる。その時、デイリークエスト未達成のためのペナルティゾーンへと移動する水篠。システムは水篠を殺したくないらしい。
ペナルティゾーンではストアが使えるため、回復薬を購入し、疲労回復をはかる。体力は回復しないが、レベルを上げればそれも回復する。砂漠から出てくる大ムカデと戦いながら、生き残りをかけてさらに強くなることを誓う水篠であった。

第43話

ペナルティ時間が終わるころには、体力もマナも全開に近い状態になっていた。クエストに戻る前に少々値は張るが新しい短剣を購入する。さらにイグリットから手に入れたルーン石、スキル:支配者の手を吸収する。このスキルは熟練度に応じて物などを動かすことができる。
クエストに戻ると辺り一面を覆いつくすほどナイトが現れていた。先程購入した短剣のおかげで、ナイトを倒すのが楽になっている。
戦っている中で、このクエストでの違和感を感じる。イグリットを倒してもレベルアップしたのに、このナイトたちをいくら倒しても経験値が上がる感じがしないのであった。魔法使いは呪文を唱えているのに、水篠に対して直接攻撃をしてこない。そのため、魔法使いが召喚魔法を唱えているのではと考える水篠。魔法使いを倒すと、ナイトたちも動きを止めた。狙いをナイトから魔法使いにうつす水篠は、スキル:隠密を使う。前回と同じように、スキル:探知の視線で発見されるが水篠も相手の位置を把握できた。敵は残り5体。

第44話

素早い動きで魔法使いを2体倒す。残り3体となったところで、倒されたナイトたちを1体のゴーレムにして水篠を襲わせる。ゴーレムは大きく攻撃力が高いが、ゴーレムを動かすため、ナイトの召喚速度が落ちる。そのすきを突き、残り3体の魔法使いも倒す水篠。
ようやく転職クエストが終わった。転職は選ぶのではなく、システムの総合判断で与えられるものだった。システムが水篠に与えた職業は・・・。

第45話

水篠がシステムから与えられた職業は「ネクロマンサー」だった。水篠はこれまで、短剣ばかり使用し、身に着けてきたスキルは暗殺系のものばかりだったため、困惑している。ネクロマンサーでは、戦いを他者にゆだねるため、自分がこれ以上強くなれないと思った水篠は転職を拒否する。隠し職業だと再度たずねてくるシステム。考えた結果、転職することに決めた。さらに獲得したポイントにより「影の君主」に転職することになった。
スキル:影の抽出を使用し、倒した者を影の兵士にする。そして、スキル:影の保管でいつでも再召喚できるよう、自身の影に影の兵士を保管する。影の兵士にはランクがあり、強いランクの物を従えられたらその分、自分の戦力が上がる。
そのため、水篠はイグリットの影の抽出を試みる。何とか抽出に成功する。イグリットはナイトクラス。ナイトクラスから名前を付けられるので、フルネームではなく、イグリットと命名する。
イグリットをはじめ、影の兵士たちが水篠に対しひざまづき忠誠を誓うのであった。